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宇宙の片隅に長い長い塔があった。
黒く朽ちない未知の鋼体で、傷も汚れもない。 何処が根元で何処が頂上かは分からないし、本来上下を定義するべき重力は塔の表面に向かっている。 ただ矢印のような三角形が一方向に刻まれていて、皆それを上と称した。 何時からかは知らないが、みんな上へ上へと向かっている。 逆しまに歩くものもいたが、そう多くはない。 皆が皆終わる事のない旅人で、何故そうなっているのかは分からないが皆何かに駆られていた。 若者は塔の表面で生まれた。 両親もそうだったし、そのまた両親も恐らくそうなのだろう。 塔の表面上では飢えや乾きはなかった。 ただ寂しいと思えば連れ合いや子供を作り、時にそれらと別れる。そんな事の繰り返しだ。 やがて若者の両親は若者の足取りについていけなくなり、邪魔になるからと別れた。 もう二度と会うことはないだろう。塔を往くというのは、つまりそういうことだった。 もし一度擦れ違った人間と出会うとすれば、追い越した相手に追い越されるか、白服を着た塔の管理者かだ。 管理者は皆同じ姿で、神出鬼没だ。 無人になった家を片付けたり、塔の外壁を綺麗に拭いて回っている。 人に似ているが年を取る様子はなく、人間に積極的に関わろうともしない。 若者が子供の頃に壁に描いた赤紫のアミラメルクの花も、恐らく彼らが消しているのだろう。 どこか寂しげな横顔で、誰かの描いた猫の神の絵を消す姿をみたことがあった。 ただ、先に進む。他に道はなかった。 目の前の黒い宇宙には、宇宙とは質感の違う黒い塔が真っ直ぐに路を伸ばしている。迷うことなどない。 時折立ち止まったり、空を見上げたり、寝そべったりするくらいか。 やがて若者は恋をして、結婚して、ソリが合わずに別れ、また懲りずに人を好きになって、結婚した。 そんな事を繰り返して、何処まできただろう。 それでも、塔の先は見えない。 「自分が死ぬまでにはたどり着かないだろうな」 薄々そう理解する年になっていたが、三人目の妻はまだ美しく、その間に儲けた息子はまだ幼い。 何も悲しむことはなかった。 その日、管理者は睦まじく二体並んだガス状の亡骸を収魂瓶に収めていた。 亡骸のそばにあった眼を焼くような赤紫色のクレヨンに過去を思い出し、遠くに置いて来た両親を思う。 きっとこのような幸福な最後だったのだろうと厳粛な気持ちになるが、心の中でだけ祈って先に進む。 もう若者という年でもないが、まだ足を止める年でもなかった。 その場に残された管理者の指が遺品に触れると、クレヨンのしみのついた古い写真が崩れ落ちる。 ……そこに映されていたものは嘗ての若者と両親であったような気がしたが、よもや確かめるものは誰も居ない。 塔は、まだまだ続く。 PR |
たたむ
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実プレイ分はオブリビオンとモロウィンドということで、クラスの概念が存在しているのだよ。
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*さむだや*
古物商・買取「サムダヤ」を半分道楽でやってるおっちゃん。おじいさんに片足突っ込んでる系。 身長162cmで鶏がらみたいなやせ方。 バスタル・シン・ダウランドを名乗るが、通称は「さむだや」。本名ははっきりしない。 薄い藤色の長い髪。黒い丸淵サングラスの下に赤い眼。 嘗ては女性的な美しい容貌の持ち主だったようだが、今となってはその片鱗が残る程度。 若い姿にもなれるらしいが、普段はただのとりがらおぢさんである。 -来歴- 半神半獣の少女に恋したものの、不死でないことを理由に断られ、以来不死を求めた。 数十年後に不死を得た頃には彼女は別の男と結婚していた……という悲惨な過去の持ち主。 ビクトリヤと出会ったのはべっこりへこんでいる時である。 今では傷もある程度癒えたが、新しい恋を探す予定もなく人生ロスタイム。 漫然と生きてるせいでもう自分が何歳か忘れてる。 秩序の番人を自認し、人間世界にあるべきではない道具を回収しては破壊や封印を施して回っているらしい。 嘗ては彼自身が旅をしていたが、今は冒険者や貴族相手に商売してまずいものを回収し、 そうでないものは積極的に人間の世界に流通させている。 -能力について- 道具の来歴や性能、使い道を直感的に理解する程度の能力の持ち主。 また、アイテムにかかった呪いによる悪影響を殆ど受けないが、魔法も自力で使えない。 戦闘力の大半を装備や所持品の性能に依存する。 軽~中量クラスの装備品なら殆ど制限なく身につけられるが、すっぴん状態は耐久力に難アリ。 自重してCW換算Lv3~4冒険者とどっこい。何一つ自重しないと英雄クラスと普通に勝負になるお方。 ただし現在は自重しない装備自体所持していないのでフツーに自重状態。 特筆すべき所持品として、命中すれば大抵のマジックアイテムを容赦なく破壊する銀のスレッジハンマーを所持。 しかしさむだや本人の適正はどちらかといえば中衛向きの軽戦士なため、戦闘であまり積極的に使わない。 *びくとりにゃん* しゃべる猫。しゃべるのである。 発声を伴うものであり、モノローグや思念言語ではない。 名前はあくまで「ビクトリヤ」。ビクトリアでもヴィクトリアでもない。 シャム柄で長毛。金かかってそうに見えるが雑種。 運命論者だったり、ほかの道を選択できなかった勇者に冷たかったり、色々意味深ではある。 老け込む前のさむだやについても少々垣間見ているのだが、それほど多くを話したがらない。 -来歴- 母猫が馬に蹴り殺され、途方に呉れて入るところを兄弟猫と共にさむだやに拾われる。 栄養状態が悪い中唯一生き残ったのが彼女である。 昔はただの猫だったらしい。 さむだやのやり場のない悲しみと愛を吸い取って成長し、 どんどん図体と態度がでかくなり最終的に今の姿に落ち着いている。 特に何か食べたとか、何かされたという自覚はないらしい。 -能力について- CW換算4~6の近接型冒険者相当……とはいえ、敏捷度が異常に高い上夜目が利く。 正面からやりあうと、知能が高いネコ科猛獣と戦う恐ろしさをとっくりと味あわせてくれる。 所詮猫なので、防御力はお察し。アイテムも殆ど持てません。猫だし。 幽霊や妖精ともケンカできるらしいので、おそらく居合い斬りかなんかが使える。 |
たたむ。
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